「いつも音楽に囲まれていた。最悪の日にも、
最良の日にも。
何が起きようとも音楽は私たちを支えてくれる。」

彼らはそれが簡単ではないことを知っている。長く続くツアー。仕事はちっとも安定していない。まして成功などまったく保証されてはいない。それでも、ジャンニ・アイエッロ、グラント・ミューレン、ヘンリー・ラ・ヴァレの三人は、情熱を追い求め、世界が新時代のロックミュージックを必要としていると信じて、喜んでこの状況に身を置いている。

グランジ発祥の地であるシアトルからの先駆者として、彼らはギターミュージックの光と影が交錯する歴史をよく知っている。そして正当であるための一役を担っていきたいと考える。ネイキッド・ジャイアンツのライブは、その爆発的なエネルギーが魅力だが、心の平穏や人々を包み込む包容力を圧倒的に感じさせる点でも認められている。

リーダーのグラント・ミューレンは、興奮して我を忘れてしまった聴衆のモッシュピットを止めさせ、みんなが快適に楽しめるように気を使うことで知られている。バンドは自然環境にも配慮していて、ツアーが及ぼす生態学的なマイナス面を最小限に抑えるために力を尽くしている。

「ロックの歴史は暴力、人種差別、搾取、誤解に満ちている...それらを数え上げれば切りがない。しかし、私たちは今、若いロッカー、善なる若者たちが自分たちの音楽をただの娯楽以上のものにしようと努力している、そんな幸せな時代にいる。」

ネイキッド・ジャイアンツは、自分たちだけで過去を「捨て、やり直す」ことはできないことを重々承知している。だが、彼らは、自身の内側を見つめている多くのバンドの先頭に立ち、より意識的、自覚的、そして現代的になろうと意欲的に取り組んでいる。一夜で何かが変わることにはならないだろうが、ひとつひとつのコンサートを重ねながら少しずつ、新しい世代のためにロックを変えてゆくことだろう。

「ポジティブな変化はとても緩慢で、循環的に進んでゆく... 私たちにできることと言えば、そんな変化のためにあらゆる機会を利用して、身近な人々に同じことができることを知ってもらうことなんだ。」